続ラブラドール・トリプルスター昨日今日明日

ラブラドールブリーダーのブログへようこそ。 愉快な仲間たちの様子を綴ります。

子犬の育成(生後30~60日)

献身的な愛

 

ラブラドールの子犬にとって、生後30日から60日までの1ヶ月間は、

犬種としての一生を左右する「黄金の30日間」と言って過言ではありません。

 

この時期は、心身ともに劇的なスピードで成長する「社会化期」の真っただ中であり、同時に母犬からの免疫が切れる最もデリケートな時期でもあります。

 

ラブラドールという(大型犬特有の性質をもった)犬種を踏まえ、

この期間に特に注意すべき点と、絶対にやっておくべきことをブリーダーの視点から

解説してみます。

 

1,食事と栄養管理

ラブラドール特有の「食欲」との戦い

生後30日を過ぎると離乳食が本格化します。

生後50〜60日にかけて、ほゞ完全にドライフードへと移行していきます。

 

「ふやかし」から「カリカリ」への丁寧な移行

ラブラドールの子犬はとにかく食欲旺盛で、早食いの傾向が強くあります。

しかし、消化機能はまだ未熟のままです。ドライフードへの移行を急ぎすぎると、

すぐに便が緩んだり下痢を起こしたりします。

子犬の下痢は脱水を招き命に関わるため、便の状態を見ながら1〜2週間かけて

ゆっくりと硬さを調整するやり方が良いでしょう。

※この時期は、絶対に下痢をさせないという点が「肝」とも言えます。

急激な体重増加(肥満)の防止

コロコロと丸く太った子犬は可愛いものですが、ラブラドールはその体型からも

将来的に股関節形成不全などの関節疾患を抱えやすい犬種といえます。

この時期に高カロリーな食事を与えすぎて急激に体重を増やしてしまうと、

未発達な骨格に致命的な負担をかける結果を招きます。

必ず「大型犬/子犬用」のフードを使い、適切な成長曲線を維持することが鉄則です。

※この頃の肥満(幼児肥満)の深刻な問題は、肥満が成人肥満へと移行しやすい点に

あります。

子犬の頃に太りすぎると、成犬になってからも痩せにくい体質になりやすいため、

予防と改善が重要になります。

体内の脂肪をためるタンク(脂肪細胞)は、成長期に増えやすい特徴があります。

子犬の頃に肥満になると脂肪細胞の数が著しく増えてしまい、成犬になってから

ダイエットなどに取り組んでも、リバウンドしやすく痩せ難い体になってしまいます。

SNSなどで海外の子犬の画像などを見て、同じような体型を保とうとすることには、

大きなリスクを伴います。子犬の一生を考えた育成を心がけましょう。

2,社会化の基礎

母犬からの「教育」と、兄妹犬との「絡み合い」

法律で生後56日(8週)までの「販売・譲渡」が制限されていることには、

非常に深い理由があります。

この時期に親兄弟と過ごす時間そのものが、将来における良い家庭犬を作ります。

 

噛み癖の抑制(バイトインヒビション)

兄妹犬と激しく揉みあい絡み合いをすることで、「これ以上強く噛むと相手が痛がって遊んでくれなくなる」「噛まれたら痛い」と言った「手加減」を学びます。

人間が教えるのは不可能な部分(ソフトマウス)「噛む力のコントロール」を学ぶ唯一のチャンスでもあります。※正しい血統のラブは、咬傷事件を引き起こさない。

 

母犬による「我慢/忍耐」の教育

生後45日を過ぎると、母犬は子犬がしつこくお乳をねだると低く唸ったり、鼻先で

突き飛ばしたりして拒絶し始めます。

これは子犬に「社会のルール」と「我慢」を教える重要な儀式であるとも言えます。

ブリーダーはこれを見て(可哀想だと思って)引き離したり、介在してはいけません。

母犬の教育をじっと静かに見守ることが、精神的に安定した成犬を作るための第一歩

となるからに他なりません。

 

3,人間と環境への社会化

人間を「頼れる大好きな存在」にする

ラブラドールは人間とパートナーシップを組むために生まれてきた犬種です。

この時期に、人間への絶対的な信頼感が芽生え、且つ身につきます。

 

「触られること」の習慣化

毎日必ず、頭から足の先~肉球~耳の中外~口の中(歯茎)までを優しく触る習慣を

身につけてください。

これを「ボディハンドリング」と言います。

この時期に全身を触られることに慣れた子犬は、人を信頼し、爪切りや耳掃除、

動物病院での診察などを全く嫌がらず、模範的(理想的)な家庭犬に育ちます。

※マズルコントロールの重要性を学ぶ必要があります。

 

「音」と「環境」の刺激に慣れさせる

掃除機の音、テレビの音、食器のガチャガチャいう音、車のエンジン音などの、

日常生活の様々な音をあえて日常的に聞かせてあげます。

怖がらない程度の音量から始め、「この音は怖くないんだ」と脳に学習させます。

 

4,医療と健康管理

「魔の空白期間」を乗り切る

生後45日〜60日にかけて、母犬の初乳からもらった「移行抗体(病気から守る免疫)」

が急激に減少します。

しかし、子犬自身の免疫はまだ未熟です。これを「イミュニティ・ギャップ(免疫の空白期間)」と呼び、最も(感染症にかかりやすい)危険な時期です。

 

外部からのウイルス持ち込みを徹底防衛

同じ犬舎以外の、他の犬との接触はもちろん厳禁です。

見学者や外部の人間が触る際も、手指の消毒や靴の履き替えなどを徹底してください。

パルボウイルスジステンパーなどの致命的な感染症から唯一子犬を守るのは、

ブリーダーの義務と言って過言ではないでしょう。

 

生後50日前後の初回ワクチン接種と定期駆虫

抗体の減少タイミングを見計らって、生後45〜60日の間に1回目の混合ワクチンを

接種します。

※一定の犬舎においては、飼育環境や母体から感染している可能性があるお腹の虫

(回虫や鞭虫など)を駆除するために、生後30日、45日、60日のタイミングで定期的に

駆虫薬を投与する場合もあります。

 

5,ラブラドールの命「骨格と関節」を守る環境づくり

ラブラドールを育てる上で、ブリーダーが最も神経を尖らせるべきが

「飼育環境」です。

ツルツル滑る床は「絶対にNG」

子犬たちが過ごすサークル内や運動スペースの滑る床(フローリング)は、いわば育ち盛りの子犬にとっての天敵です。滑る床で足を踏ん張ろうとすると、未成熟な股関節や膝関節に歪みが生じ、将来的に歩行困難になるリスクが跳ね上がるとされています。

柔らかい樹脂製のマットや、滑り止めの条件に合ったコルクマット、目の詰まった絨毯などを隙間なく敷き詰めて対応するように心がけましょう。

高低差の排除

段差を飛び降りたり、ソファからジャンプするといった(危険な)行動は、この時期の骨格や筋組織には強すぎる衝撃です。

運動スペースはあくまでもフラットに保ち、兄妹同士の平面的なじゃれ合いを中心に、注意して運動させます。

 

6,新しい家族へ繋ぐために

「これだけはやっておくべき躾」

生後60日前後で新しい飼い主さんの元へ旅立つ子犬たちが、新しい環境でスムーズに適応できるように、ブリーダーの元では習慣化の予行練習が行われます。

クレート(ハウス)トレーニングの開始

生後50日を過ぎた時点で、それまで兄妹みんなで寝ていた習慣を、夜間だけ数頭ずつ、個別のクレート(ケージ)で寝かせる練習をします。

最初はむずがる場合もありますが、すぐに慣れて「ここは安心できる自分の部屋だ」と理解します。

これをシッカリやっておかないと、新しいお家に行った初日の夜に、子犬が夜鳴きをして、飼い主さんを困らせる結果を招きます。

トイレの基礎作り

畳二畳ほどのスペースをサークルなどで囲って、内にペットシーツと樹脂製の人口芝などを敷きトイレとします。クレートトレーニングと同時にトイレトレーニングを行うようにすると、賢いラブラドールは数日でそのパターンを理解します。※サークルに入る⇒敷かれた人工芝の上で排泄する⇒出たらハウス(自分のクレート)に入る。

 

ブリーダーとしての心構え

生後30日〜60日のラブラドールの子犬は、まるで乾いたスポンジのように、目にするもの、聴くもの、触れるものすべてを吸収していく傾向があります。

この時期に、「たっぷりの愛情/献身的な愛情」と「適切なルール」「安全な環境」を与えられた子犬は、将来どこに出しても対応が可能な、ラブラドールらしい「優しく、賢く、従順な家庭犬」へと育っていきます。手間を惜しまず、一頭一頭の個性を十二分に理解し、懐深く辛抱強く育てることが大事なことかなと考えます。

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子犬をご希望される方へ

子犬の見学は13日(月曜日)以降、随時可能となります。

既に予約をされている方も、あらためてご見学の希望日時を

ご連絡ください。

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